無料-
出会い-
花-
キャッシング
BSプライムタイム 2003年9月2日放送
アメリカは変わりましたか 〜街角の声を聞いて走った7000キロ〜
50分
<内容紹介>
テロから2年が経とうとする中、ごく普通のアメリカ市民が、アフガニスタンへの攻撃、イラク戦争についてどう考えているのか、その想いを聞いてアメリカ国内をまわるサイバーカー。
サイバーカーを作ったのは、ジャーナリストのジョン・アルバートさん。テロ発生から2年、戦場となったアフガニスタンやイラクを取材し、一般市民の声を伝えてきた。今回は、視点をアメリカ国内に移し、テロや戦争の影響がアメリカ人に及ぼしたものは何かを見つめ直そうとしていた。
8月23日、サイバーカーはニューヨークを出発した。今回サイバーカーが回るのはミシシッピ川の東側地域だ。途中10箇所近くの地方都市に立ち寄りながら、再びニューヨークに戻る。走行距離7000キロ、3週間にわたる街角キャラバンだ。
アルバートさんは、老若男女問わず通りがかりの人にマイクを向け、意見を聞いていく。最初に向かったのは、ニューヨークから西に2時間、ニュージャージー州のパターソンだ。ここには、ニューヨーク近郊での最大のアラブ人コミュニティがある。ここは、テロ事件以降、差別と攻撃の対象となってきた。ここで暮らすアラブ人は、怒りと想いをぶつけた。
立ち寄ったそれぞれの街では、サイバーカーに内蔵された大きなモニターに、テロや戦争、家族を亡くしたイラク人の映像を流しながら、議論のきっかけを作った。そして自由に意見を出し合う対話集会が行われた。そこでは、「テロとイラクは深い関係がある」「テロは相手が仕掛けてきたのだから、イラク攻撃も当たり前だ」という意見も多く聞かれ、「アメリカのイラク侵攻が正しい」と思う人がほとんどであった。
そんな中、アーカンソー州のパレスティンでは、ある女性が次のような発言をした。「イラクを復興させるのは確かにいいことだけど、それでアメリカ国内はどうなるの?」この意見は集会のムードを一転させた。住民の意見には、バブル後の経済の悪化が映し出され、地域の緊急災害用の備蓄金までをも海外の復興資金に当てているブッシュ大統領にも批判が及んだ。そしてこの街では集会が終わる頃、「今すぐアメリカは撤退するべきだ」と考える人は大多数を占めていた。
全米で最も所得水準の低いと言われる街の一つ、イリノイ州・イースト・セントルイス。3万人の住民のうち99%を黒人が占める。メインストリートとなっている商店街は廃墟となり、人通りも無い。今では警察も寄り付かない無法地帯と化してしまった。貧困と犯罪が蔓延する街の人々は、見知らぬ海外の出来事よりも、自分が日々生き抜くことに追われていた。この街では戦争に反対の人が圧倒的多数を占めた。
<一口感想>
パレスティンの街では、学費の支援などが受けられる州兵に登録していた若者が次々と軍に召集されてしまう。そのため、作物の刈り入れ時だというのに人手が足りず、作業が追いつかない状況であった。このように、アメリカ国内にもイラク復興支援のための犠牲が多く見受けられるのだということを知った。「イラクとテロの関係は強い」と信じきっているアメリカ人の姿に絶望したが、自国アメリカの行動に対する想いは、地域によって大きな差があることも知った。(玉野)
[PR]動画