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NHK特集
青い目 茶色い目
〜教室は目の色でわけられた〜 A CLASS DIVIDED
制作 WGBG(アメリカ) 構成 ウィリアム・ピーターズ 45分
<内容紹介>
1968年4月、アメリカ北西部のアイオワ州・ライスピルの小学校で人種差別についての実験授業が行われた。小学3年生の担任であるジェーン・エリオット先生は、キング牧師の死後、黒人指導者に無神経な質問をする白人の解説者の傲慢な態度を見た。そして「子どもたちを差別意識というウイルスから守りたい」という思いを持ち、次の日にある実験授業を試みた。クラスを青い目と茶色い目の子どもに分け、「青い目の子はみんな良い子です。だから5分余計に遊んでもよろしい」「茶色い目の子は水飲み場を使わないこと。茶色い目の子はダメな子です」というように、青い目の人は優れ、茶色い目の人は劣っていると決めて1日を過ごすというものだ。逆に翌日は茶色い目の人は優れ、青い目の人は劣っているとして生活する、というものだった。実験の様子はABC放送の「目の色が巻き起こした嵐」と題した映像として残されている。エリオット先生のこの授業は差別される側の気持ちを実際に体験し、子どもたちの人種差別に対する考えを変えることができた。そして、もう一つ重要なことが判明した。実験授業の2週間前と授業をしている2日間、そして授業の2週間後に国語と算数のテストを行った。子どもたちの点数は優れているとされているときに最高で、劣っているとされている時に最低を示した。そして、授業後はクラス全体の成績がかなり高くなったという。2日間の授業で大切なことを学び、その大切なことを学んだという意識が生徒たちに自信を与え、優れていると言われた時の高い得点を維持できるようになったのだった。
エリオット先生は教職を去り、人種差別に対する犯罪がなくなることを願って全米各地の刑務所や企業でこの試みを行っている。この作品の中にも刑務所で職員に対して行われた講習会の様子が紹介される。実験授業の主旨を説明せずに目の色によって差別をして講習会を進め、差別された青い目の職員らはその理不尽さ、深い絶望感を感じることになる。このように、エリオット先生の実験授業は大人にも子どもにも人種差別と真剣に向き合い人種差別を身近なものとして捉えることを可能にした。
<一口感想>
小学校3年生が、目の色で優劣をつけた後たった15分で態度に変化がでてきたことに恐ろしさを感じる。自分は優れているとされ、そして相手が劣っていると決め付つけられたことで「王様のような気分」になって相手を見下すのだ。これは社会にはびこっている人種問題と同じ構造である。この実験授業を日本の学校でも行うことは簡単ではないと思うが、実際に痛みを感じる以上に相手を理解する方法はないのではないかと思う。また、この作品から、人にとって周りから認められることの大切さを感じた。子どもたちのテストの結果にも表れているように、人は認められること、自信を持つことで持っている能力を十分に、あるいはそれ以上に発揮することができるのだということがわかった。(玉野)
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