無料-
出会い-
花-
キャッシング
NHK DVD c2001 NHKSOFTWARE
地球白書 第3集 90億人をどう養うか
60分
<内容紹介>
中国の北部を流れる黄河は数千年にわたって大地を潤し、食糧生産のために水を供給し続けてきた。しかし、1980年頃から、黄河の流れが途絶える断流という現象が頻繁に起き、川の水がなくなって干上がってしまっている。
1970年頃から食糧増産のために大規模な黄河の開発が進められ、毛沢東の指揮の下、灌漑工事によって流域に広大な農地が作られた。黄河流域は爆発的な人口増加を支える一大食糧基地となった。しかし、大量の水が汲み上げられた結果、黄河は断流したのだ。
中国の都市では、経済の発展によって人々の生活が大きく変わった。特に変わったのは食生活である。牛肉のしゃぶしゃぶレストランでは、霜降り肉が人気である。
中国の牛肉人気はブラジルにまで影響を及ぼしている。ブラジル、マトグロッソ州は、牛のエサとなる大豆を作るために4万5千ヘクタールの農地が切り開かれた。「大きな森」という意味を持つマトグロッソ州は、1970年代から焼畑による開墾が本格化し、20世紀末までに6割以上の森林が畑に変わった。
アメリカ、アリゾナ州では、効率的に水を使う農業が発達している。農場経営者のハワード・ウェルツさんは25年ほど前から水を節約できる灌漑システムの開発を続けてきた。農場には直径1cm程のパイプが1mおきに埋め込まれている。このパイプには小さい穴があり、水がパイプを通ってくる間に水圧で水が調整されて、穴から少しずつしみ出すようになっているのだ。このシステムは作物の種類によって水の量を調節することもできる。
日本には農業生物資源研究所があり、稲の収穫量を飛躍的に高めようとする研究が進められている。一株あたりの収穫量を増やすために、成長能力の高いトウモロコシの遺伝子を組み込んで新しい稲「スーパーイネ」を作り出した。
また、水不足や塩害に耐え得る作物の研究も行われている。これらの技術を食糧生産へ応用し、10年後には実用化することを目指して研究が行われている。
遺伝子組み換え作物は、実用化されるまでに栽培の時の安全性と食品としての安全性が認められなければならない。日本にも遺伝子組み換え食品が輸入され、広く出回っている。2001年から食品の原料に遺伝子組み換え作物が使われているかどうかを明確に表示することが義務づけられた。遺伝子組み換え食品を警戒する日本の消費者も多くいる。
この日本の消費者の要望によって、これまでの遺伝子組み換え作物ではなく、組み換えられていない作物を作るようにするアメリカの農家も出てきた。
インドでは、化学肥料と水を大量に与えることで収穫量を増やすことのできる「高収量品種」が使われていたが、収穫量の倍増と引き換えに、農地は蝕まれた。塩害や、水のやり過ぎで水が全くひかない湛水で、およそ20パーセントの農地が被害を受けた。これらの被害に悩んだ農家の人々は、解決策として、ナブダンヤという有機農業を始め、土作りからやり直す農家が増えている。
<一口感想>
中国では経済の発展によって豊かな生活を送る人が増えている一方で、断水によって遠くの井戸まで水汲みへ行かなければならない人がいたり、農業のためのスプルンクラーを買えない人が大勢いる。この貧富の差を感じずにはいられない。(玉野)
[PR]動画