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NHK DVD c2001 NHKSOFTWARE
地球白書 第4集 大いなる自然の恵み
60分
<内容紹介>
アフリカ東部の国、ケニアでは輸出用のバラの生産が行われている。ケニア中央部のリフトバレーは、野生動物の楽園として世界的に知られている。この湖の岸辺には、バラ農場があり、毎日何千人もの人が現金収入を求めて遠くの町からやって来る.
バラは国の主要な産業となっているが、産業が拡大するにつれ、人は自然の恵みを大量に消費し始めた。花栽培には膨大な量の水が使われ、湖は一週間に2、3cm水位が下がっている。また、農場では化学肥料や農薬が大量に使用され、有害物質が排水に流れ込み、多くのプランクトンが死んでいる。このように深刻な環境汚染が広がっているが、多くの農場が対策を講じていない。
湖にはパピルスという植物があり、人間が出した有害物質を浄化してくれる。水を吸い上げて、化学肥料だけでなく、工場から出る重金属まで取り除いてくれるのだが、農家は花屋に売るためにこのパピルスを刈り取ってしまっている。
南アフリカでは、将来にわたって自然のサービスを受け取れる新しい経済の実践が始まっている。7万5,000ヘクタールの土地に9,000頭の動物が暮らすマディクエ野生公園は、地元経済の活性化を狙って建設された。自然を守りながら村人たちの働き口を増やし、安定した収入を確保しようとしているのだ。
経営は村と州が協議しながら進めているが、ここにも問題はある。野生動物から村人の安全を守るため、巨大なフェンスが公園全体を囲んでいるのだ。このフェンスがあるために、特定の動物が増えすぎて自然のバランスが崩れてしまったのだ。公園では、増えすぎた動物を売ることも考えている。
カリブ海の珊瑚礁に囲まれた国、バハマでは、海水温の上昇によって珊瑚がダメージを受け、乱獲によって魚の数が減っている。バハマの経済は観光によって支えられており、美しい自然を失うことはバハマ経済に大きな打撃を与える。
こうした中、海の自然を守ろうとしているのが、バハマ政府が設立したエグズーマ海洋公園だ。海を守るために、公園内では魚や貝、珊瑚などの生き物を取ることを一切禁止する「No Take Policy」という厳しい規則が作られた。この自然を守ろうとする活動は、公園の中だけでなく、周囲の膨大な珊瑚礁もよみがえらせることに成功している。
世界で最も先進的な森林保護政策を進めている国が、中米のコスタリカである。九州と四国を合わせたくらいの国土の4分の1が自然保護区域である。
コスタリカは、牧場とコーヒー農園の開拓によって森の面積が年に3%ずつ失われていたが、1970年に政府は大きな決断をした。森林を失ってまで農業を行うことを改め、森林を保護し、そこから利益を生み出す経済を選択したのだ。畜産に補助金を出すような政策から、環境保護につながる産業を経済的に支援する政策へと転換した。その背景には「持続可能な発展」という考えがあった。つまり、私たちは自然の資源を未来の世代に引き継いで、将来にわたって利用できるようにするべきだという考えだ。この政策は成功し、コスタリカの森は年に1.5%ずつ回復している。
<一口感想>
20世紀の100年間で世界の森林面積の半分が失われ、20世紀後半は地球の気温が上昇を続けた。ケニアの森林破壊の原因は、農地の拡大と違法な伐採である。貧しい人にとって森の木で炭を焼くことは、どうしても欠かせない現金収入の道であるため、違法な伐採は後を絶たない。コスタリカのように、国が経済政策を見直していかない限り、環境破壊を食い止めることは難しい気がする。(玉野)
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