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NHKスペシャル 2003年6月29日放送
地球市場 富の攻防 第6回 人材供給大陸〜インド&アフリカ〜
50分
<内容紹介>
イギリスでは、現在2万人の看護士が不足している。その不足を、アフリカから大量に看護士を引き抜くことで補っている。ケニア、ジンバブエ、ウガンダなどからベテランの看護士がイギリスに流入し、首都ロンドンでは、看護士の4人に1人が外国人である。
イギリス・エクセターの高級老人ホームで、看護士として務めるフィリス・ヌコンジェラさんは去年、南アフリカからやってきた。フィリスさんは、南アフリカでは看護大学の副学長まで務めた女性だ。英語も完璧である。一ヶ月の給料は30万円。同僚と共同でアパートを借り、生活費を切り詰め、20万円を仕送りしている。
その一方で、南アフリカのヨハネスブルクに残された3人の子どもは、1,500万円のプールつき、5LDKの豪邸に住んでいる。
南アフリカ共和国は、イギリスの旧植民地で関係が深く、英語も話せることからアフリカの中で最も多くの看護士がイギリスで働く。この看護士の流出が、南アフリカの医療崩壊を招いている。国内最大規模のヨハネスブルク総合病院では、去年一年間で40人を越える看護士が病院を去り、本来9人必要な救急治療室に4人の人手しかいない。スタッフの対応が追いつかず、救急治療室を封鎖することもある。
この病院に務めるディマカッツォ・シイチェレさんも、海外行きを考える看護士だ。2人の子どもを抱えるが、その子どもを残し、すぐに働くことのできるサウジアラビアへ行くことを決意した。
南アフリカ・東ケープ州にあるカラ病院では、深刻な医師不足の解決策として、今度は自分たちが外国から医師を引き抜くことを始めた。現在、バングラデッシュ人とガーナ人の医師がいる。どちらの国も南アフリカよりも貧しい国だ。
このように、アフリカでは、先進国に奪われた人材を、より貧しい国から手に入れるという二重流出の事態が起きている。
ガーナも、医療スタッフの流出が激しく、医療は国民からの信頼を失いつつある。農村地帯は医療の崩壊がより深刻だ。そんなガーナのキリタンポ病院では、2年ぶりに医療を再開した。ここの医師は、キューバからやって来たウンベルト・ペントン医師だ。政府間調停のもと、キューバはガーナに200人の医師や看護士を派遣しているのだ。
キューバは、2,500人の医療スタッフを中南米、アフリカなど64ヶ国に派遣している。その目的はあくまでも人道支援であるが、一方で外交政策に大きな役割も果たしている。
インドでは、「国境を越えない移民」と呼ばれる人たちがいる。バックオフィスと言われる、先進国のホワイトカラー業務を肩代わりする会社で働く人々だ。例えば、アメリカの家庭に向けた電話サービスを行うコールセンターがある。ここでは、コンピュータ会社やクレジット会社、銀行から委託を受けて、電話での顧客の対応にあたっている。オペレーターは、顧客に違和感を与えないようにアメリカ人を装うのだ。
コールセンターの他にも、企業の経理処理や、商品の在庫管理を請け負う会社がある。インド国内には、バックオフィスに入るための予備校までもが登場した。
<一口感想>
フィリピンでも、外国で働く人は女性を中心に740万人、労働人口の2割だということが映像に出てきたが、結局は、多くのお金を用意できる国が、貧しい国の貴重な人材までもを奪ってしまうのだということを知った。そして、これはさらに貧富の差を広げていくことになり、いつになっても貧しい国は豊かにはなっていけないのではないか、という想いに駆られた。(玉野)
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