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NHKスペシャル 変革の世紀 2002年7月14日放送第3回
”知”は誰のものか 〜インターネット時代の大論争〜 50分
<内容紹介>
独占的な使用を認められる権利、「著作権」をめぐる論争が起きている。現在、インターネットに海賊版と言われる違法なコピーが1日に映画35万本、音楽1億2千万曲流出している。音楽や映画が無断でばらまかれ、お金を払わずに楽しむ人が1億人に迫る。レコード会社や映画会社は、制作意欲が低下し、創造性の危機と文化の破壊を招くと主張する。
アメリカでは、この事態に対して海賊版対策室が設けられた。世界60ヶ国に拠点を置き、インターネットに流出した海賊版の動きを監視し、個人のアドレスや日時を特定し、著作権侵害に対する警告書を1日に200通以上送っている。しかし、海賊版はあとを絶たない。
ストリームキャスト社は、広告収入などをもとに数千人もの利用者に無料でサービスを提供している。海賊版を手助けしているとしてレコード会社や映画会社から訴えられた。しかし、「交換したい、共有したい、という人々の欲求に応えているだけ」だとして、訴えられた後もなおサービスを続けている。この裁判の企業側には市民団体の弁護士チームがついた。著作権の保護よりも市民が情報を自由にやり取りできるインターネットの発展が必要であり、著作権こそ現実にあわせて見直すべきだと言う主張がなされた。
著作権はその期間についても大きな波紋を呼んでいる。1788年、アメリカ合衆国憲法が成立した。憲法の中で、作家や発明家に意欲を与えるために、独占権が認められた。しかし、トマス
ジェファーソンはこれに異論を唱えた。彼の主張は、「独占権を与えるにしても、期間はできるだけ限定すべきだ」というものだった。「知識はみなで共有すべきものであり、すべての人が自由に使ってこそ文化や化学の進歩につながる」と訴えた。この知識の共有財産という考え方をパブリックドメインという。著作権法成立当初(1790年)、著作権期間は14年であった。しかし、経済のグローバル化が進む90年代には、知的財産が国の競争力の基盤であると考えられ、先進各国は一斉に著作権の保護強化に動いた。アメリカでは1976年に著作権期間を75年に延長。1998年には著作権延長法を採択し、著作権期間は95年となった。
国と企業は著作権の保護強化をしきりに主張するが、その動きに反対する企業もある。リナックス関連会社は、パブリックドメインとインターネットを結びつければ高い創造性が生まれると考えている。よって、通常、企業秘密とされる開発中のプラグラムの内容をインターネットで公開し、誰もが自由に利用してその開発に参加することができるようになっている。このことが世界中の技術者の意欲を掻き立て、新しいアイデアが次々と持ち込まれるのだ。インターネット上の知識の共有によって企業に発展をもたらした。これは、これからの新しい創造スタイルである。
<一口感想>
シンガーソングライターのジェニー トゥーミーさんは、著作権延長に反対し、全国の大学をまわってパブリックドメインこそが創造性を育むことを主張する。音楽家自らがそう話すのであるから説得力もある。国や企業は国益のためだといって著作権延長を繰り返しているが、それこそが創造性の危機を招いている。今こそ独占を解き、知的財産を開放してさらなる発展を導く時ではないだろうか。(玉野)
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